2014年12月22日月曜日

ホン・サンス監督『自由が丘で』

きのう、みてきました。
カセ亮主演ということで、すこしは注目されていたりするでしょうか。
ホン・サンス監督の2014年作品。
ことし、『ヘウォンの恋愛日記』もみられたんですが、ミニマル反復な構成と、すこしズレる時間軸、そして最後まさかの夢オチ、でもどこからどこまでが夢だったのかわからないってう構成で、そのブレる時間軸と現実と夢の境で鋭く強いへウォンの視線がすばらしく。
で、『自由が丘で』はカセット亮扮する日本人モリが、韓国にいたときに好きになった女性を探しに、ゲストハウスに滞在、なかなか出会えないあいいだに、カフェ『自由が丘8丁目』の店員やら、ゲストハウスの主人の甥やら、年上の男との密会のために滞在してるへウォンだった子ら、イヌの “クミ” のやりとりが、これまたミニマルな構成で、ただ反復だったところもすこしのズレを生じさせたりしながら(食堂の後ろ姿のとことか)、そして時間軸の前後ももはやあたりまえに、そしてすべてがカセット扮するモリの夢オチっていう捉え方すらできてしまい。
長い手紙の内容は? とか。それが散らばって、時間軸が行き来するっていうことは韓国で待ってるあいだのことをいろいろかいたのかしら。けっこう唐突に未来を語るところとか、どこがほんとうなのか、なんなのかわからないしくみで。でも、すべてのシーンはただただ会話だったり、そこを覗き見するような唐突なズームも今回も使いながら、酔っぱらっていたりな会話のゆるさに反して暴力的なまでに時間と現実と夢の境目をかき乱して。
カセットテープ扮するモリが花を眺めつづけ花とじぶんを同化させるのが好きと語るところ、そして、会えなくても、探しにきてここにいることが大事、っていうのが、すごく残ってます。時間軸はばらばらでも、そのときそのときの瞬間に投げかける視線やことばがだいじ、っていうかんじかしら。
あちらの映画やドラマで酔いつぶれるならチャミスルなはずが、ワインっていうあたりとか、それに驚く流暢すぎる韓国語の白人系なひとの対応が素すぎたり、トツゼンにビッチ! ビッチ! とわめきたてる甥だったり、迷子になるイヌのクミの人形っぷりだったり、くすくすな笑いと愛らしさも散りばめられていて。
やっぱりホンさん好きです。

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