2015年5月13日水曜日

DIrt On Tape April 2015



今月も。
まだBrad Rose総帥はビールと娘のことばかりでdigitalisが動かないし、カセットのこともかいてくれないしで、カセット界隈すこしさびしい。
わたしは今月もかきます、4月のベストカセット。ほんと、もうそろそろ動いてほしい、わ。
4月は1日1本くらいなよいペース、とおもいきや、新潟へいったりとばったばたな最終週にいちどき16本も届いてさすがに意味わからなくなりました。
そして、よいのん多かった。
まだまだUKなところはおもしろい。現在進行形のUKとかでは語られないですけれど。ほんと、あの雑誌つまんなくなっちゃったよね。
videogamemusic絡みで知ったSeagraveは過去作もいっしょにだったけれど両方好き。Indoleは透明ケースに直接プリントとあまりないかんじで。音はいまのUKにありがちってかんじではあるけれど。
Where To Now? の2作も、ドローン方面ゆくかとおもいきや暴発系いってて、おもしろかった。そしてここはカセットだけでなくレコードでTuff Shrmeの本名名義Eugene Wardも出したりと、カセットだけではなくレーベル全体でもベストな位置に。
Opal Tapesもレコードにかたよることなくちゃんとカセット出し続けてくれてうれしい。Stephen Bishopがカセット愛あるひとだから、どんなにレコードでうまくいっても続けてくれると信じながら。
アトランタのHarsh Riddimsも4作いちどき、相変わらずあのあたりの地下なわぁきゃあと届けてくれて。なんだろう、音だけでいうと若干飛び抜けないんだけれど、ここのシーンが伝わるたのしさがあって。で、なぜかTAKAHIRO MUKAI氏が絡んでる、謎。
そしていまのカセット界隈の人気とあたらしさを牽引してきたBeer On The Rugがおもいきりアンビエント路線に舵をきってまさかなここからのHakobuneさんが! そしてそのあたりでは美学(Wasabi Tapesさんがここは美学っていってた)を突き通してきたExoにA Q U A Eがやっぱりしみます。
Orange Milkは日本バッチ。食品さんは大好きでmelting botからのCDも買ってしまってたけれど、DJ Fultonoはこれをカセットできく理由がみいだせなかった。日本からセカイに広がったっていうかんじで。
あと、けっこう一気にがびがび路線が少なかった気が。いや、まだ好きだけれど、その周辺。
Bandcamp萎えな症状も、一切気にならなくなりました。こちらきっかけ、らしいので、はじめはなんか伝わることあるかしらとおもったけれど、無意味だとわかったら、アイコンが目にはいらなくなった。


いつもは7本だけれど、かけないこと多かったし、選びきれないので、文章短めで、ざざんとすこし多めに。



Ahnnu “Perception” (Leaving)
NNA TapesのんにCakedog名義のんもすばらしかったAhnnu新作。
Leavingはプラッチックケースではなく紙スリーブイメイジだったけれど、紙ではなく、これ素材なんていうの? うすいプラッチックみたいな。デザインもかっこうよい。
はじまりのガラスがはじけたような瞬間から、もう。そこに物音がさがさ感と、ドローン、コンピューターが生命を持ったようにふつふつと浮き上がってくる音たちが、ゆるいようでいて、それらが重なり、かなりおおきなうねりをつくりだしていて。そこにときおりの南国感あるビートだったり。
有機的な物音と、電子音の合わさり具合と、Ondnessにもあるような、はっきりとビートではない音の集積が結果ビートのようになってる感、こういう音、ことしはほんと好きです。
いっしょに買ったWhite Magic復活なんもよかった。でも短かったのっで、つぎに期待です。そしてD/P/Iの彼女のんもたのしみ。





Broshuda “Flares” (Seagrave)
videogamemusicのコンピレーション全部に参加で気になってたBroshuda。
ざらついたエレクトロニックなノイズの煙たい靄のなか、立体ダブ処理された電子音とビート、声サンプリングの細切れと、UKのvideogamemusicにWhere To Now? 周辺のよいかんじがこれでもかなA面の流れのなかに、ミニマルなクラシカル曲、そしてB面は意外と光が強いあたたかなサイケデリックな曲が多かったりと、このひと、かなり幅が広いし、カセット界隈のよいところひとりで全部やってしまってるかんじあります。
おなじくこのあたりですごく気に入ってるKinlawも1曲参加と、このあたりのつながりはすごく好きなので、これからも追ってたい。





Fit of Body “Health is Wealth Vol.1” (Harsh Riddims)
先週、ちょうどながながとかいたアトランタのここからの春バッチ。レーベル主催なRyan ParksのFit Of Bodyがやっぱりよい。
ドラムマシーンに変態シンセ、男前なんだろうなと想像してしまうさわやかで甘い歌声など、つながりのあるおなじくアトランタのDKAにCGIやってるTwinsのMatt Weinerに通じるかんじがありながら、こちらのほうがすこしゆるいです。
シンセの艶と暗黒具合はそのままに、軽快なハウス曲もはいってきたりと、きょねんのシングルがこのうえなくさわやかに変化してたのとDKAからの暗黒なんとの、ちょうどよい混じり方。
がびがび声に、がびがびギターがとばしてくる曲もあったり、ゆったりドリーミィなシンセ曲もあったりと、幅もあって、DKAあたりからレコードだせばよいのにとおもう。




Hmot “Barricades” (Full Of Nothing)
Love CultレーベルなFON、1月のSuokasができすぎていてちょっとつまんなかったんで躊躇しましたけれど、春のは2本ともよかった。
とくにこちら。読み方わかんないけれど、こちら。
乾いた破裂するようなビートのなか、暴発感あるさまざまな音の横断。
Tlaotlonがとっ散らかっただけのおもしろい音で終わらなかったのは、じぶんレーベルのところのんでハウスなかんじの軸におさめたからで、これはつぎからつぎにな暴発感を小気味よく破裂する乾いたビートを軸におさめてて、それぞれちょっと長尺なんだけれど、どの瞬間もたのしい。
Where To Now? とかUK方面からでてもふしぎではない音で。はじめと最後のロシア語な話し声がもやもやとくるあたりで、あっ、ロシアなひとだと気づくかんじ。
もう1本のTikhie Kamniもドローンにクラシカルな音、そして声づかいにと、すごくよかったです。FONはLove Cultの音の変化にあわせて出すひとの雰囲気も変わってきたけれど、変化してゆくところって好き。




Kara-Lis Converdale “Aftertouches” (Sacred Phrases)
きょねんの終わりにしー辰からデビューして、きょねんの真ん中あたりつまんないなとおもっていたしー辰復活なのろしとなってたんだけれど、それでもちょっとローファイな電子音絡みがそれほど印象には残らなかった。でも、2作目で化けた、というか録音な問題なのかしら。
いきなり牧歌的な景色の広がるクラシカルな幕開け、ポスクラばかりきいてた耳にはそこともまたちがう、牧歌的な風景はあくまでもポリゴンでできてるような。
そこに絡む電子音はあいかわらずちょっとチープだけれどそれもまわりの音の立体感で逆におもしろくかんじるように。
アンビエント一色かとおもいきや “AD_RENALINE” のようにリズミカルにきゅんきゅんなのもあるし。
クラシカル方面な好きなひとにも心地よいブラスやらな音色の鳴りがすべてよいのと、重なってゆく声の使い方に、立体感に、顔面にとすべてよい。Astro:Dynamicsが一時期生きかけたけれどのっぺりしてて失敗してたかんじをうまくいまの音になってて、最高です。




Pod Blotz “Human Division” (Nostilevo)
届いたときに、これまでにと何度かかいてますけれど、ここ数年でベストな女子のひとりです。ノイズ、インダストリアルな音に、映像と写真でも活動していて。Clan DestineにDungeon Taxisのんがすごく好きで、ようやっとな新作がNostilevoから。
ここのん、最近4面パネルJカードで、真ん中開くとおおきなジャケット感、よいです。
ドラムマシーンと金属的なノイズ、テープのかすれるノイズはそれぞれかなり鋭角に。そこにときおり加工された声に、歌が。
ノイズ女子はたいがい叫ぶかポエトリーをリーディングしますけれど、Pod Blotzは呪詛感ある裏声で歌い上げたりと、そのあたり独特で。
映像にライブのステージのオブジェに一貫した黒さがあって、やっぱりかっこうよい。




Sofa Pits “Dim” (A Q U A E)
Exo Tapesのjccgの別名儀。はじめは亡くなったとかかれてあって、泣きながらきいたけれど、ちゃんと快方中ときいて一安心な飼い犬ちゃんにささげたテープ。
犬好きなため、そういうはなしがあるだけで、もう。
うっすらテープのかすれの靄に包まれたギターとによるアンビエントイメイジだったけれども、今作ではけっこうロックな展開もみせてます、A面。
そしてB面のやさしさは涙でます。
またあたたかい陽射しのなかいっしょに走り回れるイメイジA面に、その飼い犬ちゃんへの深い愛情がつまったB面。犬関係なく、涙でます。
これを機会にjccgとDMで犬談議してました。君にとって犬ってなに? とか。
そして、zineちょうだいともらってくれたり。
ここ数年の日本のカセットテープを牽引してきてもいるし、ここはカセットテープレーベルなうちではベストなひとつです。
きょねんはいろいろでこられなくなってしまったけど、そのうちお会いしたい。




Three Legged Race “Rope Commercial vol.2” (Vitrine) 
HundebissからなDracula Lewis “Technical XTC” にも参加してました。
Kye系な不穏なシンセとざらつき音質に物音系なはじまりから、トツゼンにぶつりと途切れてシンセな音のコラージュに。コラージュも、ノイズともなってげしゃげしゃになったり、ミニマルにビートを形作るかんじになったりと、変態。
B面もまた不穏シンセが背後で瓦解するなか、60年代イタリア映画で流れる音質シンセがなにかしらメロディを奏でるような雰囲気でなりはするけれど2音だけで反復、そしてトツゼンに生音打撃な音と、サンプリング? なゆったりな歌、そこにズレた音の絡み合い。そして物音と電子音がゆるく沸き立つ水たまりに沈んでゆきます。全体的にゆったりとした雰囲気のなか、ゆるく壊れてます。物音感と電子音が心地よいのか気色悪いのかわからないかんじのよい壊れた方。
真っ暗な部屋のなか、がさごそと眠る準備をしていたら、電化製品から亡霊たちがたちのぼって、ゆるく遊び始めて、あぁ、夢だとかおもいながらまどろむ意識のなか、それらをただただ眺めてるかんじ。
って、これが最後にかいたんだけれど、かくのんしんどくなってきたので、まえにかいた記事をほぼリライトです。



Xth Réflexion “/\\06” (Aught)
透明なジップロックに透明カセットっていうものとしてもよい。ここのん集めてどれがどれだかわからなくなりたい。
鳴りのよいアナログシンセが密室で1台うなりまくってるはじまりから、音をかなり引いた物音化したシンセに、まえにもかいたけれど、写真でいうとネガのような。音をひいてかすかな物音がビートとしてなりたってるような。こういう音、きょねんの中盤あたりからものすごく好き。
そして、実際に物音も重なってと、アナログ質感でつくられる透明な虚構のセカイのようで、まっすぐいまかっこうよい音だとおもう。





CVN “Concrete Virus Nu”
追記です。4月、これ忘れたらダメでした。
ことしいっとう気になるレーベルのひとつ、チェコのBaba Vangaから。
Jesse RuinsのNobuyuki Sakumaさん新名義CVNです。
いっとう気になるレーベルから、っていうタイミングがまずすばらしい。
Cold Nameのがびがび感からどうなるのかしらとおもっていたら。
低音がぶつぶつ細切れになってゆく瞬間に、もうにやにやしてしまいました。
こちらのいま好きな音をおさえすぎてて。
Giant ClawやPHORKにも通じる声づかい、そしてそれを振り切ってしまうくらいの大胆なぶつぶつな細切れ感と音のあふれる反復感に、きりきり金属的なきりきり感に。
なによりB面のはじめあたりの展開、変調細切れ声の重なりと電子音の洪水、そこに過剰な打ち込み加減。そこからしっかり音をひいてきて立体ダブな展開までみせます。全曲攻めまくってます。
なにより、あたらしい音をどんどんと吸収して、それをじぶんのものにしてつくるあたり、その反応の速度がすばらしい。
リリースパーティーたのしみです。





BAT “Form and Void” (Opal Tapes)
Ex Geo “Memex” (Indole Records)
Blood Room “Habitus” (Indole Records)
Peter Kris “Sprawl and Sky” (A Giant Fern)
V.A. “Gardens Volume Two” (videogamemusic)
Loke Rahbek and Puce Mary “132” (BIG LOVE)
Border Force “Vedi Napoli E Poi Muori” (BIG LOVE)
Puce Mary “Success” (BIG LOVE)
Xth Réflexion “/\\06” (Aught)
食品まつり a.k.a FOODMAN “COULDWORK” (Orange MIlk)
DJ Fultono “My Mind Beats Vol. 1” (Orange MIlk)
Padna “Rimessa Truppa Suite” (Orange MIlk)
Three Legged Race “Rope Commercial vol.2” (Vitrine) 
Unexamine “Property” (Chondritic Sound)
Eartheater “Metalepsis” (Hausu Mountain)
Sigbrand “Secret Handshake” (No Kings)
Tikhie Kamni “Zemli” (Full Of Nothing)
Hmot “Barricades” (Full Of Nothing)
Body Of Light “Limits Of Reason” (Ascetic House)
Kara-Lis Converdale “Aftertouches” (Sacred Phrases)
Neu Balance “Rubber Sole” (1080p)
Hakobune “Sinking Stars” (Beer On The  Rug)
Allegory Chapel Ltd. “GNOSIS: Themes for Rituals Sacred & Profane” (Nostilevo)
Pod Blotz “Human Division” (Nostilevo)
BNJMN “Brack” (Bracktapex1)
Kevin Harris / N.N.N. Cook “split” (Close / Far Recordings)
Sofa Pits “Dim” (A Q U A E)
Ilyas Ahmed “I Am All Your Own” (Immune)
Ovis Aurum “s/t” (Seagrave)
Broshuda “Flares” (Seagrave)
Bluntfang “COARSE LIGHT II: OTW FROM HEAVEN” (Harsh Riddims)
Takahiro Mukai “The Simple Operation Method” (Harsh Riddims)
Divine Interface “Bare All” (Harsh Riddims)
Fit of Body “Health is Wealth Vol.1” (Harsh Riddims)
Russell E. L. Butler “God Is Change” (Opal Tapes)
Perfume Advert “+200 Gamma” (Opal Tapes)
V.A. “Noise @ The Bike Shop, Vol. 1” (the Newark Bike Project)
baba “Odd Potion” (Where To Now?)
GDL “s/t” (Where To Now?)
Soren Roi “Flood Out” (Handmade Birds)
Fluorescent Heights “Relaxing In The New World” (Beer On The Rug)
Strange Mountain “Glass Clouds II” (Exo Tapes)
CVN “Concrete Virus Nu” (Baba Vanga)
White Magic “I'm Hiding My Nightingale” (Leaving)
Ahnnu “Perception” (Leaving)
Euglossine “Complex Playground” (Beer On The  Rug)

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