2015年2月6日金曜日

Best Cassette of 2014 (25-1)

つづきです。25位から1位!

25. Lily “Modern Malaise” (NoCorner)


2014UKのベストレーベルのひとつNoCorner、UKなところに多いカセットテープぴったりサイズな段ボール、ふつうはそれで送ってきたり、緩衝材かわりにつかわれるんだけれど、ここはそこにもデザインほどこしてきたりと、すばらしいし、ノーデジタルな姿勢もよい。カセットテープを好んできくんだから、データはいらないよね、いや、あったらお店でかけられるし、路上できけるしとうれしいんだけれど、姿勢って大事。年末に女子って知って、30くらい順位をあげました。ききはじめると、はじめ、びくりとします。ニッポンの雑踏でのフィールドレコーディングがざらついたノイズのなかに。全体がビートの重なりに、シンセがっていうつくりなんだけれど、1曲目のなんかもったりとしたビートの歯切れの悪さが、気色悪くってよい。そう、全体にビートがなんだけれど、曲ごとにかなりかわる節操のなさ。がびがびにつぶれたビートから、のしのしな低音、そしていきなり軽快なビートだったり、ドラムパッド叩いてるかのような肉感的なのもあれば。そこにシンセの音はA面真ん中はSF感があるかとおもえば、意味不明な音を浮遊させてみたりとびかわせてみたり。曲間のなにかしらのアナウンスのような声があったり、ものがたり感もあって、よいですね。そしてA面後半とB面のはじめのほう、こんどははっきりとニッポンのことばで女の子がポエトリーリーディング。なにものなのかしら。そして、テープのようなローファイなサンプリングがスクリューしてゆくような終わり方。すごい節操のなさ。技巧的にビートにシンセとか、地下でがびがびっていうより、若干ゆるいんだけれど、そのあたりも消化しながらで。かなり都会の夜、もうトウキョウ渋谷と設定してもよいくらいに都会な街中、雑踏にまぎれながらいろいろなネオンにそれぞれの店の音楽があふれてるなか。女の子がふらついてるような。




24. Ramzi “Bébites” (Pygmy Animals)

モントリオールのMarie DavidsonにつづくアイドルPhoebé Guillemot。ほんとうは。もっと上位にいれたい、2014年の女子になるはずだったんだけれど、いまいち先へは進まなかった、でも大好きなので、この位置です。
自身のレーベルから。ひさびさな割には数曲いままでのとかぶってるし、最初っからはちゃめちゃなため、あまり伸びしろがないのやもとかおもいながらも、大好き。今作も、やっぱりDuppy Gun感ある髪の毛がドレッド状なおっさん声と、ところどころの本人のかわゆい声がはいりながらも、その隙間をシンセとはちゃめちゃなビートがこれでもかと飛び交ってます。これまでよりもアンビエント感強い曲とのめりはりがあるかな。大好きなSEEKERSのずぶずぶ感とはちがった方向。かぶってる曲も、音のバランス変えたのか、すこし攻撃的なかんじにしあがってます。BAMBATCHEWFIREMAN__IMGONNAKICKHISASSがなかでも、かなり攻めてる。Bandcampで買っていないのに、なぜかあちらのページにはこちらの顔面が。好きすぎて、念がうかびあがってるのかしら。





23. Gora Sou “Living XXL” (Noumenal Loom)

SicsicからもだしてたドイツのMark ÜbelによるGora Sou。Markさん自身もカセットテープ買いまくってて、それだけで好感もてるんだけれど、音もすばらしい。ニューエイジィなシンセによる立体アンビエント。いや、かなりまっすぐニューエイジなため、とりたててかくべきことがみつからないんですけど、途中、Panabriteのような舞い上がり方もみせるしで、とにかくシンセの鳴りがすばらしい。そして、どこまでも立体感。カセットテープ界隈に足を踏み入れたのって、インディ方面ではなく、シンセなアンビエントなため、Demonstration Synthesisしかり、こういう鳴りのよいシンセものは大好きです。で、Noumenal Loomからだすだけあって、音の立体感に、イルカ感もあるしと、とりあえずことしのアンビエントでは最高峰。Birch CooperMV撮ってて、得体のしれなさ、すばらしいです。



22. Columba Fasciata “Enemy Eater” (Lillerne Tapes)

画像を検索してもハトばかりでてきて、いまいちどんなひとたちかわからないシカゴの男女デュオ。Facebookでみたら女子がけっこう怖めな見た目。1stプレスが即売り切れて、2ndプレスでなんとか買えた。ゆるくつぶれたドラムマシーンの音と、暗闇をギターの爪弾きが切なく、ときにゆるくはいまわって、ときおりシンセが強く主張しだしてと、音もうっすらEBM感、黒いかんじがありながら、そこにすばらしい女子ヴォーカル。艶とはかなさいちどきな。B面のシンセがまえにでてきたあたりから、最後淡く暗いギターとヴォーカルな展開がものすごくよい。けっこうローファイではあるけれど、どこかしらからレコードな流れになっても、雰囲気でゆける気がする。今後、たのしみです。Jカードもよい。





21. Cube “Her Instrument” (digitalis)

ことしはカセット方面にちからをいれてたdigitalis。そのなか、きょねんまで自主でだしてたAdam KeithのCubeもBrad Rose総帥の耳にとまって、digitalis入り。きょねんのん、おととしのんと年末のベストにいれました。全体にゆるい雰囲気を漂わせながらなビートもの、だったんだけれど、今回も。破裂するようなノイズがかったビートとゆらめくシンセ、はねまわるシンセの絡みあいからなはじまり。ざわざわフィールドレコーディング、そこからテープ逆回転のような気色悪いかんじの声が亡霊のようにさまよってみたり。そして、またどうしようもないぐずぐずなビート曲、テープで録ったへろへろギター爪弾きと変調させたりと、やっぱりゆるいな、ゆるいな、とおもっていたら、トツゼンにテンション高い早急な調子の “Auto Queen / Un Gloved” って曲が。でも、なんか鼓叩いてるようなビートと、琴で弾くべき音のつらなりな単調シンセの反復に、げしゃげしゃな声サンプリングのコラージュにと、やっぱりどこかゆるい。
そして最後は眠そうに変調された声の重なりと、digitalis入りしてもゆるくってよかった。






20. Hiro Kone “Fallen Angels” (Geographic North)

ニューヨークのNicky Mao。活動がそこそこ長そうだけれど、これで知りました。1曲目のノイズとビートをまとったかんじから、唐突に琴のようなはじけるシンセの挿入に、映画音声のサンプリング。2曲目の立体感、そしてドローンからビートへの移り変わりだとか、B面はミニマルなビートから、フィールドレコーディングに最後は立体ニューエイジだったり、そこからまたビートを走らせてみたり。展開がかなり自由だけれど、すべての曲に近未来ネオンまたたく立体街並のなか深夜ドライブ感があるし、ノイズもさわさわと沸騰してるし、唐突にはいってくるメロディのようなものもよかったり。Beatrice Dillonもそうだけれど、女子シンセなひとって、いろいろと取り入れながらも、それぞれ展開が自由というか、そのひとの個性がかなりでるのんがおおくって、きいててたのしい。MSOTTが正しく進化したかんじもあったり。すばらしいです。Jカードも、表の文字デザインに、裏側の花柄と、うつくしい。





19. NPLGNN “meccano” (nute Records)

いまだ読み方わかんない。せんかたないので、ヌプルグンって読んでますが頭のなかでヌプングルってなってしまい、どっちだったっけとかんがえてるうちにまったくわからなくなります。メイルが送られてきてそこ経由でしか買えないっていう地下なしくみがすばらしいアイルランドTrensmatのサブレーベルから。ナポリのひとです。ミニマルながびがびのしのしなところに、ハイハット連打やハンドクラップにと、重さ黒さとふしぎな抜け感の組み合わせがすばらしいです。のしのしと地下な不利詩ながら、めっちゃまっすぐダンス感な。年末のWhere To Now? から12インチもよかった。もっとミニマルになってた。でも、JSでゴルい方面として扱われて、ちょっとなえた。ゴルいって一回でもいったひとは信用しない。





18. Mind Dynamics “Active Supply” (Digitalis)

1080pからもだしてたブルックリンの。ContainerさんやForm A Log系のテープきゅるきゅるなところに低音のしのしな音。容赦なくのしのしだし、ちがう調子のビートが重なっては消えところころ変わるし、そしてその裏ではずっとテープがきゅるきゅるいってて、めっちゃ好きな音。ちょうどContainerさんのライブであったかんじ。ずんずんのしのししっぱなしだけれど、2曲目の最後のほうの壮大な音がずんちゃちゃ、ずんちゃちゃ、ずんちゃちゃちゃとリズムがかわいかったり、とにかくたのしい。18位な割にはこれくらいしかかくことないくらいに、ただただ粗いビートの移り変わりな音なんだけれど、とにかくたのしい。秋はこればっかりきいて歩いてました。





17. Hobo Cubes “UNTITLED C.90” (Hobo Cult)

ことしも出し過ぎ、モントリオールの地下代表、Francesco De Gallo。この名義だけでなくAla vjiior、FDG-、ユニットではH、Arrows、Abradaとどれだけ出すねんと春ころからツッコミっぱなし。しかも、Hobo Cultからのは20本とかしかつくらず、Twitterでトツゼン欲しいひとはメッセイジくれ、と粗い受注だったり。せっかくDebacleからレコードでたのに、自ら地下へ潜ろう潜ろうとしてはって。なんどもかくけれど、Dirty BeachesにIceageのメンバーといっしょにお互いにタトゥー彫りあったりとそのままいっしょにゆけばよかったはずが、まだ地下。3ヶ月連続リリースなローファイすぎるテクノな “Mono Music” 3本ももちろんいれたりけれども、こちらの完成度が。ドローンはじまり、ばっきばききりきり粗いテクノに移行して、ノイズが暴発したかとおもえば、声をたゆたわせたり、まっすぐハウス感だしてみたり、打ち込みっぷりがすばやい展開をみせたりと、90分たっぷりななかで、たくさんな表情。ばっきばき、かりかり金属感なままゆけば、セカイの流れにあうはずなのに、やっぱりおかしなことしてしまうかんじが、愛おしい。そして10本限定と、いままで買ったカセットテープでいっとう少ない数でして。






16. Cool Angels “Hole” (Exo Tapes)

ヴェイパー代表なひとりポルトガルのJCCGレーベルのここを知ったのって、GnarからのCool Angels再発で、当時25本しかつくらないっていう弱い活動しながらもMeditatiopnsさんにBLさんには届いていて。前作はBoy FriendChrista Palazzoleが参加してたりなドラムマシーンにサイケデリックなギターとシンセドローンが重なるバンドの音、だったのが、今作、ミニマルすぎる。暗すぎる。フィールドレコーディングとローファイギターなミニマル路線をたどるレーベルの流れにあわせてきたのか、削ぎ落としっぷりがすごい。深すぎる靄のなか、さびしくこだまするドラムマシーン。いや、ほんとそれだけではないかくらいの展開。すこし裏でシンセが舞い上がるかんじはあるけれど、大味でもローファイな音の低音が、濃すぎる靄のなかにさびしく響き渡って。濃すぎる霧のなか、ぼんやりとしかみえない幽霊船相手に大砲を撃ってるこちらも幽霊だった感、というか誰もいない真っ暗な浜辺でひとり打ち上げ花火を連発してるかのような。B面になるとすこし圧のあるごよごよしたドローンの重なりに、金属音のようなものも交錯してきて、このまま終わるかとおもったら最後1曲がトツゼンさわやか前作路線っていう意味わからなさもよい。






15. Control Unit “Burn” (Fort Evil Fruit)

イタリアのSilvia KastelとNinni Morgiaデュオ。これまで、Clan DestineやらBackwards、Alt.Vinylからだしてたりなんだけれど、今回はアイルランドのここから。ことしのBackwardsからな7インチ “Bloody Language” で、これは火がつくやも、とすこしおもったけれど、やっぱりつきませんでした。Control Unit好き、っていってるのん、まわりでいまのところ仲さんしかいないので、絶対にそのうちきます。いや、こないままやもしれません。7インチが代表曲くらいにポップになっていたんだけれど、このカセットテープもその路線。Ninniさんのぎゅるぎゅるなノイズにぺきぺきな爪弾きエクスペリメンタルなギター、そしてヴォーカルとシンセのSilviaちゃん。マイクくわえる勢いなんだけれど、というかきょねんまではくわえてしまってたんだけれど、ことしはぎりぎりくわえずにうたったり叫んだり。表情がころころのたうちまわるギターの横で、インダストリアル感あるシンセにドラムマシーン鳴らしながら、うすく靄をまとった歌と叫び。Thurston Mooreや、Ashley PaulとEli Keszlerコンビとライブやってたりなんで、やっぱりエクスペリメンタルなくくりからは逃れられないけれども、ことしのはほんとインディー方面な方もゆけるはず。ちょうどよいところなバランス。タイトル曲の中盤からな展開がとても好きだし、B面の明るく光りの射すドローン展開もすばらしい。仲さんのことばを借りると、ニッポンではきれいな子はアイドルか女子アナになろうとするけれど、海外ではおかしなことしたがる、っていうよい例。




14. Haf Haf “Notch” (Gang Of Ducks)

ことしのイタリアブームの火付け役。このころはまだGODってドイツかとおもってたよね。ひとつひとつちがう古いカセットテープのJカードの表面を軽くやすりでこすって、そこに印刷。指に紙の粉がつく。
ずんずんのしのし太い低音。そのずんずんのしのしも不安定だったり、調子を曲のなかでもかえたりしながら、ほかにもパーカッシブなリズムもなんか不安定に重ねられ、それがだんだんとまっすぐに。ラップもはいってくるけれど、それも過剰に細切れ、変調とヒップホップ感あるけれども、なんか。そして低音のずんずんのしのしで部屋がゆれてるようなくぐもったノイズだったり、そのうらでくぐもりっぱなしな声の反復だったり、ひねりあげられるようなシンセ、ただよう透明シンセに、ずんずんのしのしなまわりで、たくさんな音があふれでてきて。B面1曲目、なぜか日本の昭和初期の唱歌とかアニメーションの音がサンプリングされていたり。村祭とか、茶目子さんとか。どんどんひゃららがノイズのなかで。京都のひととのあいだで、Haf Haf女子説がでてましたが、禿げたおっちゃんぽい。Bleepのコンピレーション、Italian New WaveでHundebiss勢ともまとめられたりと、新作はやくださないかしら。






13. Fairwell My Concubine “Symphony Of Problem” (self release)

Hype Williamsを地下化したかのようなHundebissからもだしてるAngels In AmericaChickletteではないほう、つまり男のほうMark Losifescuソロ。2014年の地下代表だとおもう。地下っていっても、知られてないとかではなく、あり方なはなしね。そこだいじです。2014年はじめにだした “Inisaniac In A Living Hell” では、Zach PhillipsにFit Of Body系な絶対男前だとしかおもえないさわやかな声とローファイな録音、なところにテープのかすれる音、透明シンセドローン、過剰にすっかすかドラムマシーンにと、変態なかんじがささやかにほとばしるかんじで、おなじくベストにいれたいんだけれど、年末にだしたこちらのほうが、その変態度合いがおさえきれてなくって、よい、というかほぼAngels In Americaになってた。大袈裟に響くキーボード高音和音をやさしく弾きがたってるフリしながら変なうしろの低音、大味すぎるドラムマシーンに歪むギター、ドローンななかゆったりうたうとおもえば、突如電子音にギターも暴発したり。日本からだとメイルしないと買えないしくみなので、せんかたなしにメイルしてみたら、ちゃんと日本語で “ありがとう” と返してくれたりと、おもいのほかよいひとだったり。




12. Constellaton Botsu “萎びてられっか” (digitalis)

日本でいっとう先へいってるひと。2013年末に突如あらわれ、本人によるアートワークに、日本語なタイトルに、カセット界隈はみんなくすりとしてしまうなまえにと、なにもの? とおもっていたら、活動しはじめてからもうまっすぐBrad Roseにコンタクト、それで半年後にはそのdigitalisから作品がでてしまうっていう、ドリーム感。細やかに連打される細切れなビートに金属的なノイズ、その裏で呪詛のようにただよう声にセカイの瓦解感があって、そのすべてが崩れたセカイの瓦礫の下で弱くあたたかく鳴るピアノやギターな音やらの新展開もみせながら、やっぱりさらに瓦解してゆくセカイ。トラックが数字だから、それだけだと単発イメイジを受けるけれども、しっかりひとつの作品つくってきたかんじもすごい。そして、たまらず先にきいたBandcamp音源だとノイズに金属感ってけっこう鋭いんだけれど、カセットテープのさわさわ感とおしてきくと、すこし角がとれて耳にすんありなじむし、ギターにピアノな展開にもちょうどあってました。12月に初ライブをみられて、お会いできてうれしかった。そのときいただいたわたしだけがもってるだろう、USB作品もすばらしい。そこでは作品番号も400超えてる、すごい。Beer On The Rugあたり、出すべき。そして、2月はD/P/Iとの共演きまって、うれしいかぎり。Alex、しー没さんをLAにいっしょにつれて帰ってくれ。




11. Susan Balmar “Signum” (Beer On The Rug)

Beer On The RugってどうしてもBektroid関連なおかげでヴェイパーイメイジが強いけれども、ここはただあたらしい音を純粋に追ってだしてゆくレーベルなので、ことしも先頭つっきってたし、値段においても年末には送料込みで3000JPYを越すっていう突出っぷり。すばらしい。2013年、PRADA & OREGONっていうよくわかんない名義でもだしてたSusan Balmar。Bandcamp音源でも盛り上がっていたわけですが、ついにここから。金属的な、でも弱いノイズのふつふつ感なところに、ちょっとゆるい雰囲気も加わってきてと、音にも幅が。直接購入だったので、手書きなJカードもうれしかった。家付カセットテープの主です。あれにもはいってたRin Yabaっていうこれまたよくわかんない名義になってたりしながら、WANDA GROUPに、日本のあらべぇさんやしー没さんとも共振してるあたり、インターネットすばらしい。50位の家付カセットテープを送りつけてきた張本人です。






10. Siobhan “Mind Court” (Nostilevo)

ことしのMVPなひとり、Travis GallowayによるSiobhan一応、2014年にでたもので選ぶっていう決まりをもうけてるんだけれど、これだけは2012年のもの2014年再発。再発はいれない、はずだけれど、ズルしてもいれなければならない。これを1月にきいたことで、ことしが変わってしまったので。わたしのなかの2014年流行語は “がびがび” でした。TraagにFreindにとユニットも同時進行しながら、Opal Tapesからレコード出したりと、躍進しましたね。そして、レコードな方もNostilevoを追ってるひとけっこういて。がっびがびななか、腐食声でダンスするっていう、いままでのじぶんのなかではあまりきかない音でして。おっさん嫌いだから。暗黒なノイズまじりななか、なんか変なゆるさ、陽気さがあるんだよね、Siobhan。ことしもたのしみです。





9. German Army “Cargo Circuits” (A.C.T.I.O.N)

ことし、いっとう地下をにぎわしたのって、このひとたちだとおもう。いまいち、何者かよくわからない地下感もよいし、気づけばQ//QとかFinal Copとか複数名義で活動してるし、なにより出し過ぎ。しかもいろんなレーベルから。出し過ぎでこまっていたHobo Cubes並。途中で追うのんあきらめたくらい。そして、きいたなかでは、これがいっとう黒かった。さすがなNostilevoのサブレーベルです。Siobhanまではいかないけれどもだるだる腐食声、そこにEBM、インダストリアル感ある音のつくりに、ウソ南国感もかぶせてきて、な音。Tabs Outが上位にいれてたField Hymesみたいにウソ南国感が強いものより、黒いもののほうが好きだったな、このひと。Jehu & ChinamanからなFinal Copも、かなり期待していたんですけど、届きやしません。困った。







8. Petit Singe “Tregua” (Haunter Records)

インド生まれイタリアのミラノ在住な音楽だけでなくアートディレクターなどでも活動してる女子Hazina Francia。2014年後半はイタリアのことばかりかんがえてたけれど、それを決定的にしたのはこのひとだった気がします。DiscovererにPaco Sala感ある液状ネオンシンセの瞬きとぶつぶつ低音のビートからはじまって、濃ゆい煙のノイズに覆われながら民族ティックな歌が変調、ダブ化。そこにパーカッションのゆったりとしたビートも重なりながら。Festaがすばらしい。きりきりインダストリアル感にのしのしビート、高い音のシンセの瞬き、そして民族感。そしてしっかり引き算な音。地味ではあるんだけれど、ツボをおさえまくってます。これまでもなにかしら活動してたっぽいけれど、検索してもよくわからなくって困ってます。




8. Petit Singe “Tregua” (Haunter Records)

インド生まれイタリアのミラノ在住な音楽だけでなくアートディレクターなどでも活動してる女子Hazina Francia。2014年後半はイタリアのことばかりかんがえてたけれど、それを決定的にしたのはこのひとだった気がします。DiscovererにPaco Sala感ある液状ネオンシンセの瞬きとぶつぶつ低音のビートからはじまって、濃ゆい煙のノイズに覆われながら民族ティックな歌が変調、ダブ化。そこにパーカッションのゆったりとしたビートも重なりながら。Festaがすばらしい。きりきりインダストリアル感にのしのしビート、高い音のシンセの瞬き、そして民族感。そしてしっかり引き算な音。地味ではあるんだけれど、ツボをおさえまくってます。これまでもなにかしら活動してたっぽいけれど、検索してもよくわからなくって困ってます。




6. SEEKERSINTERNATIONAL “ROOTPRINCIPLE” (NoCorner)

Digitalisレコード黄金期だった2012年にアルバムをだしてたSEEKERSがようやっとなまとまった新作、しかもUKでWhere To Now? とならんで2014年いっとうよかったレーベルのひとつなNoCornerから。そしてRewind Forward限定なカセット自体にスプレー仕様っていう、条件揃いまくりな復帰。SEEKERSといえば、髪の毛がドレッド状だろうおっさんの声はコラージュ、反復、digitalis音色なシンセが飛び交い、その裏でドローンが、なんだけれど、まぁ、やっぱりそうでした。ただし、ただ沼化してるだけではなく、A面のからりとした変則ビートに、声もドレッドなおっさんではないのもあったりしながら、B面はやっぱり毛髪がドレッド化、でもそのおっさんの歌自体よかったり、ビートも複雑に。そして全体は複雑になりながらも、さらに泥沼に沈殿してる。すばらしい。Duppy GunのD/P/Iプロデュースな曲のダブバージョンの狂い方を、ドローン沼に沈めたかんじ。ここまで先鋭化されてなかったけれどホラー感あったBoomarm Nationからのんも同時入賞させたい。ひとついえば、NoCorner、これまでの作品一挙レコード化してたんだけれど、これ、してくれなかった! きぃ!



5. RKSS “Tunnel” (Reject And Fade)

Tesla TapesからだしてたMarrekレーベルから、読み方わかんないこのひと。どんなんやろうとおもって試聴した音はMarrek系なきりきり感あるトラックで、全体はどんなやろうとおもい注文。そしたら、おもいのほか幅が広くって。のしのし低音と細切れ声の変調に、そういう音にはあうはずないきらきらシンセ音、そしてきいてるものの神経を壊しにかかってくるきりきりかりかり電子ノイズが。かとおもえば、ゆったりとゆらめくちょこっとオリエンタルなシンセのゆらめきに獰猛なケモノの吐息感あるがるるるいうノイズが反復したりとか。かなりアンビエンスな要素の強いテクノトラックから、澱みきった低音からのへろへろ声サンプリングをダブダブ反復だったりと、2014年のよい音と2015年だろう音を、ものすごくよいバランスで配置していて、すばらしい。Bandcampだけれど全部きけないあたりがよいは、ここ。きけるのもよいけれども、きけないこともだいじだなとほんと最近おもいます、よ。あっ、これzine付、だけれど、文字ばっかで、読んでません。





4. Seth Graham “Goop” (Noumenal Loom)

Orange Milk RecordsGiant ClawKeithと運営しているSeth Graham。2013年はそのKiethとのユニットCream Juiceが騒ぎになって、後半にようやっと個人名義でリリース。そこではCream Juiceにみられた暴発感たっぷり、電子音とおもちゃっぽい音、サンプリングの洪水。そして、今作はその暴発っぷりも健在ながら、賛美歌を軸にすえて、立体的に暴発。ただ暴れまわってるだけではなく、はじめのゆったりとあたたかいピアノから、その後の暴発感には踏み外し感ある音のない隙間たっぷりで、その隙間隙間から音が一気にあふれでてくるかんじがなんどきいてもたのしくって。こういうクラシカルな音をつかった立体感って、LXVやらちょこちょこいましたけれど、そういうクラシカルな音つかっちゃうとひとむかしまえなエレクトロニカ感に引っ張られるニオイもしてくるんですけど、このひとの遊び心はそれらも軽く回避していて、格別でした。D/P/Iのつぎにくるのは確実にこのひと、で、あってほしい。もちろんKeithとともに。そして、Sethに魅了されなかったと公な場でいってしまうDARK WEB国内盤レーベルって、ほんと信用できないなっておもって、年末はもんやりしてました。Keithがあそこ経由で来日して、Sethももし呼ばれたりしたなら、Sethはレーベル主催なおっさんをなぐってやればいいとおもいます。



3. D/P/I “Rico” (Leaving Records)

文句なしなベスト入り。きょねんもことしもMVPです。Sun Arawバンドにも参加、その流れでDuppy Gunにも、2013年はDeep MagicにHeatwaveにとジャンル横断な幅の広さ、そしてすべてのことにおいて、先へいってるっていう、恐ろしさ。誰もかなわないです。DJ Purple Images、D/P/Iは2013年CD-R連発で、サンプリングな歌ぶつ切りにノイズにと、追って騒ぎながらも、まったくわからなかった。わからないけどかっこいいっていっとう大事。でも実際にノイズ多めでとっ散らかってるかんじはあって。でも、ことし、Leaving Recordsからの作品で、D/P/Iとしてのかたちを完成させてきたなとおもいました。注文した時点でいただけたデータをがまんできずきいたとき、はじめ、これ、データ壊れてるんではくらいにおもって。ノイズは差し引かれて、全体がぶっつぶつに細切れにされた音たち、それがときに立体的に配置されそうになってはぶつ切り、大袈裟なノイズやら暴走するPCの電子音にまみれそうになってはぶつ切り、息も絶え絶えなぶつ切り感がビートのように構成されて、いままでまったくきいたことない感触になってまして。のちに日本盤のCDがでて、その解説で京都のひとがかいてたけれども、かっこいい音がかっこいいレーベル、かっこいい装丁ででるっていうことがすばらしいっていうのん、ほんと大事だとおもいます。あと、出るタイミングもね。
来日中!! ことし、いっとうたのしみな来日。





2. PHORK “Psychic Biomes” (Dirty Pillows)

NNA Tapesからのレコードもすばらしかったし、Noumenal Loomからのもよかった。そう、ぜんぶよかったので各地でわあきゃあ騒がれるべき存在だけれども、いまいちそこまでっていうところまでもよい。見た目もかわゆい男子だし。そう、女子が女子が、っていってるけれども男子のほうが見た目大事です。ミニマルながらもA面の不穏さともないながらの舞い上がり感、声をつかったフットワーク感とざらつきノイズとドローンと、それらが調子をはやくしてゆく最後がたまらない。B面のスクリューかました歌声反復と打ち込み感からもっとゆったりミニマルに反復歌声できかせてきたかとおもえば、音をざっくり差し引いてな微細ビートのはねまわり、そしてもうひと上がりしたあとにまた乾いた空間。ダンスしながらも、実験音質が常にだし、それでいてどの瞬間もたのしい。どうしようもないカセットストアーデイ、これはその日向けなリリース(結局遅れたけれど)で、これがでただけでもこの日の価値はあったなとおもいます。



1. Beatrice Dillon “Blues Dances” (Where To Now?)

いろいろ迷いましたが、これが1位です。UKのBeatrice Dillon。クラシカル方面でも活動しているみたいですけど、The Trilogy Tapesからのミックスを経由して、トツゼンに2014年のカセットテープレーベルとしてはベストなここから、ダブなテクノを出してきました。音数のおおくない乾いた質感とキレのよさ、そこにまとわりつく微細な音たち、さわついたドローンを展開させたとおもえば、クラシカルなピアノともこもこいきもののようにはねる電子音の絡みとか、とにかくすばらしい。Madalyn Merkeyがでてきたときのような実験感もあったり、それをいまのUKのテープ系なひとの前衛感でやってて。女子! っていうことで画像を検索したらちょっとゆかいそうなかんじのひとがでてきて、美女だったらもうなにがなんでも1位っていいはるところでしたけれど、そういうかんじも味になって、やっぱり1位です。2015年、もっともたのしみです。そして、すべてのJカードの装丁がうつくしいWhere To Now? のなかでもいっとうなかっこよさ。





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