2016年2月16日火曜日

Ekin Fil “Heavy” (No Kings)



Ekin Fil “Heavy”
No Kingsから。
イスタンブールのEkin Üzeltüzenciによるドローンフォーク。
Root Strataからのカセットで知ってから、Students Of Decayからレコードもだしてたり。Sacred Phrasesのんがきょねんの今頃だったから、1年ぶりくらいなリリースかしらと調べたらきょねん7インチだしてたのね。
もう。
No Kingsはほんと紙質、印刷ともにすばらしいです。今回はデザインもうつくしくって、これはもので買うしかないですよ。

Grouperっぽさでいうとセカイでいっとう、いまやGrouperはHelenにピアノにとなんで、あちらよりもGrouperっぽさがあるし、Exotic PylonからなちっちゃいCDでギターではなくシンセ、オルガンとノイズなのを出してから、かなりかわった、というと使ってる音はかわんないんでヘンになってしまうんだけれど、なんていうか、突き抜けた、ともまたちがう、もっと靄が深みにというか。Grouperっぽさっていうことばでは説明できなくなってきて。

A面は黒い靄のなかから浮び上がってくるギターの爪弾きと、さらに靄がかった声。
2曲目の後半、空気がノイズに浸食されてくるあたり、ものすごいです。
3曲目の途中からなうっすら高音を合図に、これでもかと爪弾き反復のなか、広がってゆく声がうつくしく。
4曲目の爪弾きはもう靄がかりすぎて溶けてるし、ここで声がすこし靄のなかから近づいてきていて、中盤からノイズがまた空気を崩れさせてゆき、ただそのノイズもかなり靄がかってと。そのノイズのなか、高音もゆらめいて、もう。

B面。A面はまだ爪弾きからなノイズ、のようなドローン・フォーク然としたつくりだったけれど、B面はさらに靄のなか、声と音の質、靄の濃さで変化がききとれて。
淡い光が射してくるような高い音のゆらめきからのはじまり。その光のなか、一気に闇の靄が満たしてきて。そしてことばとしてもはや成り立ってないくらいに透明な声と、すこし反響して靄のなかに消えてゆく高くささやかな打撃。
2曲目。もはや爪弾きの境目もわからないくらいにぼやけたギターの振動、そこを切り裂く空気のような声、その声はこれまでになくちからを持って、闇を切り裂いてゆくかんじ。
3曲目、ギターの爪弾きがくっきりきこえるはじまりから、靄がみたされてゆく境目がみられるはじまりから、ノイズの海に沈んでゆき。
終わりかとおもうんだけれど、これはなに? うっすら、ほんとおっきな音にしないとわかんないくらいにうっすらと爪弾きがなってまして。Bandcamp経由で買ったんで、データのほうを確認したらなかった。

ことばにすると、靄がノイズが爪弾きが、としかかけないんだけれど、そのバランスがものすごいです。カセットだからとかローファイだからとはまたちがう、かなりの深さ、濃ゆさでみたされる靄と、声とギターがその靄と科学反応を起こして溶ける、その濃度の調整具合が、ものすごい。
むかしほどはドローンをきかなくなったけれど、やっぱりEkn Filはすごく好き。

Ekin Filのんをきてかくたびに、映像もはっつけるのは、かわゆいからで。いつの日か、ライブをみたい。





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