2016年2月6日土曜日

CVN “現実に戻りなさい (Return to Reality) ep” (Dream Disc Records)



CVN “現実に戻りなさい (Return to Reality) ep”
ようやっとです。前回ここへ注文したときも、なんかやたらと遅かった気がするんだけれど、今回もしっかり遅くって年越してました。
そう、P.H.O.R.K.にNico肉男、Angel 1にEuglossineがはいったコンピレーションを出してたところ。すごい面子。
CVN。Jesse Ruinsのサクマさんソロです。
きょねんはチェコのBaba Vangaから出してはって、それががびがびCold Nameから、一気にぶっちぶちな空間づかいなCVNへと変化な境目をちょうどみききできて。

そして今作。
はじまり。ジャケットの彫像イメイジなオペラ声からはじまるけれども、それらをいっしゅんで叩き壊す重い打撃音がゆったりと空間たっぷりとりながらっていう大胆な始まり。打撃音はだんだんと輪郭がくっきりと切り取られて空間が緊張感を増してゆき、そのゆったりとした打撃のペースのまま、暗闇のむこうで光る音のまたたきに変わって。そこにがびがびノイズをまとったビートが重なって緊張感から解放されて走り出し、そのずびびびがびがびしてる音が、あぁ、サクマさんの音だってかんじで、そのがびがびな音もいちいちが音程とリズムにとすこしの変化があって、中盤、いきなりぶっつり、立体的な音と、リヴァーヴがかった鐘のような音、ノイズ、そしてちょっとかわいげのあるホイッスルのような高音とかたくさんが横切ってゆき、妙にきいてくるベースのような音のつらなりも重なってたりで、かっこうよいです。これライブできいた曲です、ね。
そこから、一気に場面が転換、シンセドローンに包まれるなか、飛び散る液体、宇宙感ある高音のささやかなまたたき、そこにやたらと立体感のあるもの音が響き渡って。
そしてタイトル曲、空白と、打撃音、かつかついう音と、トツゼンに湧き出てくる液状シンセ、途中くらいから、鳴ってる音が、打ち鳴らされたビートなのか、空白にかきけされた音の残った断片なのか、よくわかんなくなってくるくらいに。わたしは空白に踊らされてるのか、ビートに踊らされているのか。
雨音とかたこと物音フィールドレコーディングのなか、立体的にはじける電子音と、声の反復、それらが交わって、ゆったりとしたリズムをつくりだしてて心地よいな、とおもったら、また一気に加速。空白に縛られてたうっぷんを晴らすかのように前のめりで叫びながら疾走しだすけれども、その勢いもまた空白に残酷に細切れにされてゆき、かつかつとかわいたビートが無機質になるなか、その声はさらに解体、細切れになってちからなく変調してゆく声の主へのレクイエムのような切ないピアノな音がなりながら、ついには力つきて、な。

前作は全体にまだがびがび感が散りばめられてななかの細切れコラージュだったけれど、今作は本気で空間。しかもその輪郭が研ぎすまされてるかんじ。細切れ感をしっかりとサクマさんの暗黒なセカイに落とし込んでてすごい。
きょねんはCVN名義なライブをちょこちょことみさせていただいてて、その都度変化してゆくのが追ってる側としてすごくたのしく。

そう、サクマさんの音をきいてると、変化してゆくひとって好きだなとあらためて。破壊オンリーだとおもう。破壊っていってしまうと乱暴だけれども。こちらの耳も、作ってらっしゃるサクマさんの耳も常に更新されていってるわけで、それをすぐに消化してじぶんのセカイに落とし込んで鳴らしてはって、それをきいてるこちらもそうきたかとうれしくなったりと。追っててすごくたのしい。
かわらないのもそれはそれですごいけれども、ね。


そしてメディアのはなし。ちっちゃいCDで、ちゃんとケースがついてるのんでかわゆい。
そう、CD-R、気になります。そんなこといってるのサクマさんと京都のひととわたしくらいなんだけれど。
冷静にかんがえてみたら、ここ日本にいながら、CD-R新鮮! とかいってるのって頭おかしいんではとおもえてきたんだけれど、せんかたない、1周したんだもの。
レコードよりカセットよりもCDを買う数がすくない暮らし向きなんで、ほかのひとよりも、新鮮! とおもえることがひとつ増えて得した気分。
さすがにほんとうにMDでリリースされてたらきけなくって困りはするんだけれど、そういうのんを買うことじたい、持ってるじたいがどきどきする。やっぱり音だけではなくって、そういうリリースするかたちとしてのどきどきも含めて、わたしにとってはだいじで。
Leavingがリリース自体がBaroからの以来でひさびさな気がするOdd NosdomをデジタルとVHSで出すっていうね、BOTRの最近のんはCD-Rの盤がかなり原色で毎回色ちがえてきてたり。みんな遊んでる。
カセットなブームもきょねんがおおよそいっとうだったろうし、それぞれがその音やらあり方にあったリリースで、それにあったレーベルからでてれば、その作品はまずよいな、とおもえるっていうのが、いまなかんじです。で、いまはカセットをだしてたような地下がまたCDをだしはじめてっていう流れがちょっとあって、そういうひねくれたことするあたりの音がやっぱり好きだったりするので。まぁ、複数形態できたらどうしてもカセットで買っちゃうんだろうけれど、わたしは。

つぎはOrange Milkからです、ね、たのしみだし、来週はJeese Ruinsのライブもたのしみ。先月は熱でててちょっとぼんやりななかでみききしたんで、こんどはちゃんとみたい。

2 件のコメント:

  1. 表題曲はf.e.a.rっていうFPSのゲームをサンプリングなさってますね!
    Almaっていう女の子の霊とエンカウントしたときのSE。
    かっこいい使い方!

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    1. コメントありがとうございます!
      あっ、すごい、サンプリングもととかぱっとわかるんですね!
      おふたりのOrange Milkからなリリース、たのしみにしてます!

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